Glitch Princess / yeule (Cassette)

¥ 2,200 税込

商品コード: RC-352

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シンガポール生まれ、ロンドン在住のエレクトロニック・アーティストyeuleの2022年最新アルバム。Bayonet Recordsからのリリース。オープニングは、"私の名前はNat Ćmielです、私は音楽が好きです...私は.."と約3分間に渡り自己の紹介が続き、だんだんとその声色が苦しくなり最後はノイズに変わる。

前作『Serotonin II 』で表現した、エヴァやFF13などのアニメ・ゲームのサウンドトラックからインスピレーションから生まれた音世界は、私たちを非現実世界へと連れて行った。対して今作『Glitch Princess 』は、その非現実世界とリアルな現実世界を2重に表現している。そして、前作よりも歌詞の濃密さは決して見逃せず、今作のキーワードは音以上に言葉(リリック)である。

Grimesの「Delete Forever」を彷彿とさせるようなオンラインとオフラインを唯一繋げるトラック「Don't Be So Hard On Your Own Beauty」。人間味のある温度で、アコギのサウンドに乗せて歌う。これは完全に意訳だし個人的解釈だが "自分の美しさに厳しくならないで"="自分の美しさに誇りを持って"というメッセージがある。一心不乱に躍り狂うMVで表現される世界はピンクとも言えない不穏な紫。だが、不思議と毒々しくなく美しい。優しさのあるコーラス。これまでとは違う、そう、誰かが決めた美の基準なんてないのだ。

そしてリリックビデオが公開された「Too Dead Inside」。ジャングルビートが印象的な、ダークかつメランコリーなサウンドとなっている。これは、我々人間が悲しみも喜びも、何も感じなくなることへの警告だ。これでもか、というほどに詰め込んだ歌詞=我々現代人が、必要以上に言葉を語らなくなったことへの反抗だと解釈する。インスタの画像、たった140文字画像だけのTwitter...それだけで、なにもかも理解しようとするのは不可能。

本作を聴いて、彼女がひとりのアーティストとして提示したいもの、ひとりの人間として表現したいものが明確に見えた気がする。彼女の個性的・魅力的の先にある本質を見極めて欲しい。美しいか美しくないか、はたまた誰かが決めた美しさとは重要なのか?その答えはここにある。

Tracklist:
1.My Name is Nat Ćmiel 02:51
2.Electric
3.Flowers are Dead
4.Eyes
5.Perfect Blue
6.Don't Be So Hard on Your Own Beauty 03:12
7.Fragments
8.Too Dead Inside 03:25
9.Bites on My Neck
10.I <3 U
11.Friendly Machine 03:46
12.Mandy
13.The Things They Did for Me Out of Love