ASPIDISTRAFLYの新作『Altar of Dreams』について思ったことを書く。

こんにちは!Rodentia Collective のマキノです。
こちらのBlogの更新が久々になってしまった。すみません。実はnoteもやっていて、両方同時進行にすることができなかったわけです。こちらのBlogは雑談が多く、noteの方は商品紹介が多いかな?という感じです。個人的にはカチっとしたちゃんとした記事を書くのが苦手で、このblogの方が気軽に書ける気がしております。

そんなこんなで前回の記事から1ヶ月くらいが経ってしまった…。2月は特に入荷が多くて怒涛のリリースラッシュでしたね。当店は毎週この曜日に入荷しますよーっていうのが無いので、新譜以外のものはサプライズ的に入荷するものも多くあります。わたしがお客さんの立場だったら、もっと早く言ってよー!となったりしそうですが、個人店の醍醐味ということで楽しんでいただけていたら幸いです。

ASPIDISTRAFLY – The Voice of Flowers (Official Video)

直近の入荷をご紹介しましょう。April LeeとRicks Angによるシンガポールのデュオ、ASPIDISTRAFLYの10年ぶりの新作『Altar of Dreams』がついにリリース。Ricks自らが運営するレーベル、KITCHEN.LABELより。実物が到着して、パッケージを開けたらなんかもう、CDが好きになった。いや、正しくはCDの良さを再確認した。実は私は手持ちのCDは実家にあるので手元になくて、いまの取り扱いもレコードがほとんどだしCD からかなり遠ざかっていた。とはいえ、KITCHEN.LABELのリリースはなるべくCDでも入荷するようにしていて、それはレコ屋のうちでCDを買ってくれるお客さんのため、そして自分のためでもあるのです。

サウンドについては、商品ページのレビューで書いたので読んでもらいたいのですが、1stの『i hold a wish for you 』が好きなひとにも気に入ってもらえるのではないか?と思っている。10年という月日がアーティストにとって長いのか短いのか、私には分からないのだけど(多分長いよね。) この前公開されてたNMEのインタビューではRicksさんが10年間待たせたことに罪悪感がある的なニュアンスでコメントをしていた。読んでみると、この10年間の間に耳の病気になってしまったり、世界情勢が変わってしまったり、深刻な理由があったんだなと感じた。このCDを買った人ならもう読んだと思うんだけど付属のBookに記載されているステイトメントには”ループ”という大切なキーワードがある。そのループとは平凡な毎日を繰り返すことかもしれないし、ASPIDISTRAFLYの2人にとってはアルバムが出せないことへの苦悩の時間がループしていたのかもしれない。

Altar of Dreams

個人的に好きな点として、タイトルトラックの「Altar of Dreams」の文脈的考察を少し書いてみる。本人たちも公言しているように、彼らは80年代のJ-POPやアンビエント・ポップ愛好家である。そしてレーベルのインフォにもあったように、この曲が80年代の日本を代表していた山口小夜子の資生堂CMからインスピレーションを得たという事実がまた面白いなーと思った。

山口小夜子 資生堂CM集

山口小夜子が醸し出していた麗しさを、見事に表現した耽美なサウンドは、彼らが持つ、揺るがない美的センスも伺える。私はAprilさんのことを以前から知っていて、綺麗なピンク色のロングヘア、そして前髪をバツっと切りそろえた髪型が印象的だった。今回、この「Altar of Dreams」について調べていた時に、ああ、そういうことか…!と一人で納得していたのだった。

上記のインタビューでは、Aprilがいくつか楽曲をセレクトしていた。多分まだここから聴けるはず!このmixを聴くと、本作の世界観をもろに表現しているということがよーーく分かる。

ASPIDISTRAFLY – Companion To Owls (Official Video)

アルバムリリース日に公開された「Companion to Owls」のMVもすごく良かった。怪しげな雰囲気のなかにも気高さがあるこの感じ…。ファッションもメイクもディレクションも本当に完璧で、何度も観てしまう。この曲とビデオの雰囲気を観て、真っ先に浮かんだのは中森明菜の「幻惑されて」(1983)である。

Akina Nakamori (中森明菜) – 幻惑されて (2012 Remaster)

と、ここまでいろいろと憶測や感想を書いてしまったが、何が言いたいかというと、シンガポール特有の前衛的美学とカルチャー、そして日本の懐古的な美学の融合が素晴らしく、ASPIDISTRAFLYの驚異的なセンスと情熱が創り出したこの世界から戻れなくなる、いや、戻りたくなくるほどに悩ましい…。ということだ。

フォークトロニカの名作と言われ続けている『A Little Fable』(2011)をリリースしてからの10年間の無限のループから脱出し、まるで新しい生命が宿るかの如く『Alter of Dreams』は産まれた。彼らの音楽が生き続けるこの時代に生きていることがすごく嬉しいし、誇りに思う。

発売延期していたレコード、遂に6/10(金)に発売です。アナログファンの方は、なくなってしまう前にぜひゲットして欲しいです。当店は、CD・カセット・レコード全ての形態でのお取り扱いがあります。

Altar of Dreams / ASPIDISTRAFLYの各商品ページはこちら

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