心の隙間になんの違和感も無く染み込む夢心地なノスタルジア。Long Beard「Means To Me」

Long Beard – Getting By (Official Music Video)

初めてこのレコードを聴いた時、ソファで寛ぎながら聴いていたのだが、思わず寝落ちしてしまった。 アメリカのニュージャージー州出身のLeslie BearによるプロジェクトLong Beardの2019年発売2ndアルバム。ジャケットのリンゴとリンクする、真っ赤なRed盤。アメリカのインディペンデント・レーベルDouble Double Whammyからのリリース。

なぜ寝てしまったのか?なぜならば、太陽に透かしたら、透けてしまいそうな透明感のある歌声と、サウンドの鳴りが調和していたからだ。声と楽器は別々に鳴っているんだけど、それが同じに聴こえるというか。そんな不思議な感覚。

タイトルの『Means To Me』。私の解釈だが、想像するに「私にとって意味のあるもの」とか、そういうものだと想像する。このレコードでは、家や故郷について歌われているからだ。ただ、彼女にとってはある特定の家、場所、ということではないそうだ。彼女はインタビューで、「Means To Me 」は、家についてのレコードということですか、と問われ、こう答えている。

そういうことですが、家とは、かならずしも私が居た、特定の場所ということではありません。特にこの10年間はいろいろな場所に住んでいました。重要なのは、家というものをどう捉えるか、ということ。

引用元- https://www.thefader.com/2019/08/20/long-beard-means-to-me-interview

彼女はこのレコードをリリースする前の4年間、キャリアによる転勤で友人たちと離れ、故郷のニュージャージーに戻ってきたそうだ。また、別のインタビューではこう語っている。


このレコードは、家や自分自身の感覚や安心感について、いろいろなことを感じさせます。あなたが故郷に戻ったことにより、これらのテーマはよりあなた自身に影響しましたか。 

前作のアルバム「Sleepwalker」(2015)が出て以来、基本的にはほぼ毎年引っ越しをしていて、大人になった自分の居場所や居心地の良い場所を探していたからだと思う。物理的にいつも違う場所に引っ越しているし、友達が、どんどん離れていっていることにも気付いています。

家とは、単なる自分がいたい”場所”だけではなく、自分の周りに居て欲しい人や、精神的に心地よさを感じることができる人たちのことなんだなと思いました。

引用元 – https://uproxx.com/indie/long-beard-interview-means-to-me/  
 
Long Beard – Sweetheart (Official Audio)

 

私たちは、一日一日を過ごしている。その一日が、最悪な一日でも、最高な一日でも、帰ってくる場所は”家”だ。彼女は、家とはただの入れ物ではなく、自分を取り巻く周りの人々も、家のようなものだと語る。これを読んでいるあなたは学生かもしれないし、30代で私と同い年かもしれない。もっと上の先輩かもしれない。年を重ねるにつれて、自分の物語を1章2章と更新するにつれて、いろいろなものが変わっていく。離れていく友達も、大切なひとも変わるかもしれない。みんなそれぞれに意味があって、その人によって意味するものも違う。ふと、寂しさを感じたときや、立ち止まって過去を思い出したい時にこのレコードを聴いて欲しい。  

レコードに付属しているスリーヴのリリック・シートのデザインは、マスキングテープで部屋の壁に貼ったメモのようだ。細かなデザインも、胸をくすぐる。



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