“sitaqは、人間の素直な気持ちを気持ちよく真っ直ぐ歌うことが出来るバンド” Interview with sitaq

愛知県、名古屋の男女「すてきな4にんぐみ」ことインディーロック/ポップバンドsitaq(シタク)。sitaqが奏でる日常は、他の誰のものでもなく、あなたのもの。パステルカラーのように曖昧な色で抽象的、聴いていて自然にこころに入ってくる丁寧な日本語詩にハっとします。そんな彼らが2019年発売ミニアルバム『persons』をリリース!そう、このアルバムがとても良く、ますます彼らのことを知りたくなりました。名古屋では知らない人はいないかもしれないけど、東京に住む人にとっては謎が多いバンドかもしれません。sitaqってどんなことを考えているバンドなのだろう?ということでインタビューを行いました。

sitaqについて

Q.まず、初めにバンドについて教えてください。メンバーはBa/Vo.オオシマさん、Gt/Vo.アサクラさん、Gt/Cho山田さん、そしてDr.の太田さんですね。なぜこの4人でバンドを組もうと思ったのですか?また、sitaqというバンド名がなんだか可愛らしくて好感が持てました。バンド名の由来も合わせて教えて下さい。

オオシマ(Ba/Vo.):このバンドはDr.太田さんとBa/Vo.オオシマが暇でスタジオに入ったのが始まりです。ドラムとベースだけだと寂しいのでGt/Vo.のアサクラくんを誘って、Climb The Mindを演奏しました。

そこからゆるっとバンドがスタート、途中からある日ライブハウスでふらふらしていたGt.山田くんをアサクラくんが誘って今のsitaqになりました。

アサクラ(Gt.Vo):バンド名は日本語をローマ字表記にした覚えやすいものがいいなあ、と色々思考を巡らせていました。当初の最有力候補は「Aomuke(仰向け)」 (笑) どんなきっかけかは忘れてしまったのですが、世界各国の山の名前を調べていると「sitaq」というペルーの山脈を発見しまして。僕個人としてパタ○ニアなどのアウトドアブランドが好きなことと、日本語の「支度」とダブルミーニングで読ますことができるなと考えてバンド名にしました。

ライヴについて

Q.私が初めてsitaqのライヴを見たのは、2019年3月に高円寺で行われたGalaxy Train(名古屋の老舗カセット・レーベル)の企画、とうきょうギャラクシーでした。演奏、そしてライヴ全体の雰囲気がとても良くて、見終わったあとにすぐディストロしたい!と思い、思い切ってオオシマさんに声をかけたんですよね。indie pop/rockのライヴって、大きく盛り上がるようなものも大事だけどほっとするような空気感も大事だなとsitaqの演奏を見て感じました。バンドのライヴの雰囲気を良くするために、何か意識している事ってありますか?

オオシマ:Galaxy Train企画の際はお声をかけていただきありがとうございました!ライブの雰囲気を良くするために、何かを意識をしたことはないのですが、sitaqは生活に寄り添った楽曲が多いので、カッコつけたライブというよりかは、ありのままの正直な姿をみせているような気がします。

sitaqは普段から会話が絶えなくて、4人でご飯に行くことも多いので、もしかしたらそういう普段の生活がライブにも滲み出てるのかもしれないですね。


Photo by -町田千秋 @HLG2524

最新作『persons』について

Q.先日リリースしたミニアルバムについて教えてください。 今作『persons』のテーマは、どんなものですか?また、前作『me+sitaq』と、オオシマさんが手がけたジャケットデザインにも通じるものがありますね。 でも、今作は曲によっては遊びが見え隠れするものもあります。ゆったりした曲調のsitaqだけではなく、新しい顔も見られて非常に嬉しいです。「やさしいパンクス」「fuzz green」なんかは特徴的ですよね。サウンドもポップだし。ミニアルバムをリリースするにあたって、この辺りは意識したのでしょうか?

オオシマ:『me+sitaq』に続いて『persons』もデザインを担当させていただきました。sitaqでは日常で見えているものを描きたくて、『me+sitaq』ではアパートを、『persons』ではコインランドリーを。コインランドリーは、洗濯機の中には様々な人の思い出が詰まった服の成分が蓄積されているので、今作に合うと思って選びました。


アサクラ:実は「やさしいパンクス」は初ライブの時から演り続けていた曲で、すでに活動初期からアグレッシブなアプローチの曲も似合うバンドだとわかっていました。そして今作を制作するにあたって更にその路線を突き詰めたくて生まれたのが「fuzz green」ですね。おっしゃって頂いた通り「sitaqの新しい顔」と捉えていただけたら狙い通りです(笑)個人的にこの二曲を演奏するときのGt.山田のギターヒーローっぷりに注目してほしいです(笑)

Photo by -町田千秋 @HLG2524

歌詞について

Q.sitaqの楽曲はほとんど日本語詩で書かれていますね。 個人的にですが日本語詩ってなんだかストレートに感じてしまい、聴いているこちらが何だか恥ずかしくなることがあります。実は、苦手だったんです。でも、sitaqが歌う歌詞って、全くその恥ずかしさが無くって。 頂いたフライヤーに書いてあるとおり「日常に溶け込む」感じだったんです。胸にスッと入ってくるというか。日本語の繊細さや、奥ゆかしさ、抽象的な側面をうまく使っていますよね。優しさすら感じます。sitaqの楽曲を、日本語で歌う理由ってどんなところにありますか? 

アサクラ:単純に英語で歌うことができないというのが大きな理由ではあるんですけど。ロックを聴き始めた中学生の頃、BUMP OF CHICKENやくるりといったバンドと出会い、それ以来日本語詩の魅力に取り憑かれているのかもしれません。

日本語詩を聴いて恥ずかしくなる気持ちもすごく理解できて、歌詞を書くときも「これは恥ずかしいな…」という気持ちになって躊躇することもしばしばあります(笑)

ただ、僕の中で乗せる音楽を奏でるバンドや歌う人間に説得力があればストレートな歌詞を乗せても許されるんじゃないか?という気持ちがsitaqを始めてから芽生えてきて。それ以来、敢えてちょっと恥ずかしいなと戸惑った歌詞をそのまま採用することが多くなりました。sitaqは、人間の素直な気持ちを気持ちよく真っ直ぐ歌うことが出来るバンドだと自負しています。

 
Q.作詞は、Ba.&Vo.の大嶋さんとGt.&Vo.アサクラさんが担当していますね。 曲を聴いたときに思い浮かんだ情景は、東京などの都会の風景とは違うものが思い浮かびました。私は名古屋の土地について詳しくないのですが…。歌詞づくりは、どのようにしていますか?

オオシマ:私はおじいちゃんとおばあちゃんが多く住む街にしか住んだことがなくて。街に特別刺激的なものもないので、都会的な風景を感じないのかもしれないです。(笑) 歌詞づくりはそんな街で生活しながら行っています。

アサクラ:僕も東京には住んだことなくて、ましてや名古屋から電車で1時間弱要する「岡崎市」というベッドタウンで24年間過ごしてきました。愛知・名古屋って企業で言えば天下のトヨタ自動車がありますし、県外に出なくても特段困ることのない土地なんですが、僕の見解では「東京」という街に憧れを抱いている人も多いと思っていて。僕も含めそういう遠くの街への憧れの念を抱いた人の気持ちが歌詞に滲み出ているのかもしれません。あと歌詞作りにおいて一番大事にしているのは「自分自身」に向けることですね。過去やこれからの自分への肯定も否定もひっくるめた歌詞が多いです。他人を無責任に鼓舞できるような立派な人間ではないので。

Photo by -町田千秋 @HLG2524

音楽性について

Q.世の中の音楽には、激しい音楽、静かな音楽、悲しい音楽などいろんなジャンルのもの があるなか、sitaqの音楽は本当にリラックスして聴く事のできる音楽だと思います。それ こそ部屋で家事をしている時とか、電車の中とか。日常のなかで聴くのもすごく良い。 sitaqのような音楽のスタイルは、忙しく生きる人々に癒しを与えていると思います。こう いう音楽性になったのはなぜですか?また、インスピレーションを受けているアーティスト なども教えてください。

オオシマ:何故でしょう…。曲は4人で作っているので、気がついたらこういう音楽性になっていました。みんなの人柄も曲にだいぶ影響している気がします。メンバーはみんな優しくて、とっても正直。

インスピレーションを受けているアーティストはYOMOYAです。2019年11月30日の自主企画のタイトルもYOMOYAのはかりごとからいただきました。

アサクラ:自分たちが音楽に対してそういった自然体で聴ける要素を求め出したからだと思ってます。聴く人の生活に少しでもsitaqの色が滲めばすごく嬉しいです。個人的にインスピレーションを受けたバンド・アーティストは前述したくるりやはっぴいえんど。くるりからは時代を超えた風景とそれに付随する人間の様々な心理描写を捉えることの大事さを。はっぴいえんどからは言葉遊びなど日本語詩の自由度の高さと素晴らしさを学びました。

Q.メンバー同士で音楽の話ってしますか?最近のオススメのアーティストがいたら教えて下さい。

オオシマ:音楽の話、します。4人とも聴く音楽が幅広いので、たくさん知らない音楽を教えてもらって楽しいです。私のオススメはRodentia Collectiveさんでも取り扱っているHOMESHAKE。なんか身体がだるいな、元気ないな、って思った時の夜、温かい飲み物と一緒に最新作の『Helium』を聴くと、よく眠れます。3月に行われる東京・京都のライブもすごく楽しみです。どんなライブをしてくれるんだろう。

アサクラ:もちろんします!僕のオススメは先日の自主企画にも出演してもらった名古屋のスーベニアですね。エモへのリスペクトを感じられるスリーピースのいなたいサウンドと純文学的な歌詞は本当に素晴らしいです。ギターボーカルの和田くんとは中学生の同級生で部活まで一緒というもはや腐れ縁です。早く売れてくれ!(笑)

Q.最後に、sitaqにとって音楽とは?

アサクラ:「器(うつわ)」ですね。sitaqを聴いてくれる人の思い出や気持ちを収められる、大小、形も様々な音楽=器を創って発信し続けていきたいです。

Photo by -そうし@s04_1991


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